2012年 02月 13日
追悼 ホイットニー・ヒューストン |
80年代~90年代のPOPsやR&Bは、僕にとってクラシック系とは別に音楽的感性の基幹であると共に、様々な思い出の詰まったもの。彼女の歌声はまさに米国などでは「神の声」などと比喩されるけれど、確かいあの声量と才能は、何かの祭典の開会式でアメリカ国歌1つ歌うだけでも人々を感動させるくらいのパワーがありました。
僕は特別ファンというわけではないものの、今回の訃報に際する報道で彼女のアルコールや薬物依存による経緯や100億を超える収入がかつてありながら全てを使い果たして事務所からの前借りで生活している(らしい)とか、そうした暗の部分も知り・・・。かつ、普通に生活していれば、これからもずっと彼女の歌声を聞くことはできるだろうと根拠なく思っていました。
それそうと、僕はある意味で彼女のような世界のトップスターと比較するにはあまりにも「オコガマシイ」けれど、本当にちっぽけな僕の日々の想いに重なるような部分があります。彼女のあの、まさに「神から賜った美声」も結局は彼女を幸せにしなかった。世界の歌姫にまで登りつめ、富と名声をも手に入れながら、彼女は様々な不安や寂しさ、葛藤、本来の自分自身の姿を想い、本来人間誰しもが持ち合わせている多面性などに精神が病んでいったのではないかと思うのです。特に多面性は、成功が大きければ大きいほど、自分自身の本来の心の在り方や姿とのかい離が自分自身でコントロールできない形でその差分が拡大していくことは容易に考えられます。つまり、社会が、メディアが、あるいは自分自身の地位が作り出す世間でのある種の妄想や輪郭。
彼女の波乱万丈かつ短い人生を想うとき、単純比較なんて勿論できないけれど、僕も日々感じる孤独や寂しさとの対峙に改めて覚悟と決意を持って当たらなければ、なんて思うわけです。きっと、彼女を蝕んだのは僕に言わせればきっと孤独です。あんなに華やかで人が羨むすべてのモノを手に入れたかのように思われる彼女も、やっぱり本当に欲しかったのは例えば「静かで心穏やかに、大声で笑わなくとも心から微笑みながら会話をするような小さな幸せ」であり、利権や腹心、あるいは彼女の名声に群がる人間たちに対する拭えぬ不信感を払拭できない自分自身への悲しみとか、、、そういうことであったんじゃないかな、、、と勝手に僕は思うのです。
自分の敵は結局は自分、ってことなんでしょうね。回想をする形で放映されていた米国のトークショーでも彼女自身もそう言ってました。勿論、全てにおいて自分自身を敵と見なすのは極端すぎるけれど、自分を幸せにするのも自分である一方で、ある種のバランスを欠いたり弱さに呑まれてしまうことがあるとすれば、それは何か強制的な何かによるものでない限りすべて自分自身で決断した責任、つまりは弱さ。
僕もね、時折ふと思うことがあるんです。ブログの中で何やらいい雰囲気に(!?)形成されている本来の自分とは異なる文太像(笑)。あるいは、客観的には成功者かのような目線による先入観や固定概念。僕はまったくごくごく普通に人間であって、そしてその一方で普通と言ってもなかなか、というか絶対に生きているうちには「普通」にはなれないゲイの側面も僕の中にあるわけで、いろいろ本当は心の奥深くでもう一人の僕がいろいろと考えて想っており。
ホイットニー・ヒューストン。彼女のご冥福を心より祈ります。
by usatoru
| 2012-02-13 19:31
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Comments(4)
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TAKU
at 2012-02-13 23:39
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うまれ持った才能が自分を生かしているけど、それで自分を苦しめるんですね。自分に置き換えることはできませんが、平凡がいかに幸せなのかということでしょうか。
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youka
at 2012-02-14 00:53
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バランスを取ってくれるのが、パートナーであるのかもしれないですね。
先日の調査通りの年代な読者の私といたしましては今回のニュースはドスンと来るものがありました。モヤモヤっとしていたのですが、ブンタさんの日記はそのモヤモヤを明文化してくれた感じ。なんだか自分を自分で養っているとか、ずっとそういう感覚だったので...。
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Kate
at 2012-02-14 20:57
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収入の件、そんな悲しい裏話があったんですね。。孤独と向き合う人生を選択したことに対する責任は、その人の社会的なステイタスに関係なく、他人(家族でも)や社会にserveすることで取れるのではないかと思います。もちろん誰もが簡単にできることではありませんが、オプラ・ウィンフリーのように、富・名声と悲惨な過去とのバランスを図りつつ、責任ある生き方を選択している勇敢な方もいますね。自分とは、敵であるだけでなく一番の味方でもあるんでしょうね。
I Wanna Dance With Somebodyを今YouTubeで見て、溌剌と歌っていた昔のホイットニーヒューストンを思い出しました(T T)さびしいです。
I Wanna Dance With Somebodyを今YouTubeで見て、溌剌と歌っていた昔のホイットニーヒューストンを思い出しました(T T)さびしいです。