2008年 10月 30日
家系図 |
僕らの関係はそこに書き加えられることはないでしょう。
この紙の上で僕は独身として死に
後世に伝えられていくんだろうか。
更新が止まる我が家の家系図。
後世に妻を娶らなかった孤高の男として
誰かの目に一瞬止まるくらいのそんな存在。
そして栗助なんてその紙の上に
墨の一滴も存在しない。
別にそんな由緒正しき立派な家でもないし、
そもそも別に「家」に特別な想いを抱くような
世代でもない。
ただ、なんだか家系図だとか、
先祖が眠る墓だとか
あるいは別に自分の家の墓ではなかったとしても、、
そんなものを見るにつけ
何やら僕と栗助のひっそりとした関係が
ことさら何やら静まり返った静寂とか
晩秋の早朝のようなヒンヤリとした空気にも似て
なんだか切なくなる。
僕らの「家」は僕らが創設し
そして僕ら自身が終止符を打つ。
この家の歴史は僕らが出会って
そして死が2人を分かつ間のみ存在する
蜃気楼のような「家」。
無縁仏とかなんとか言う前に
なんか生きてるときから、
本質的なところで世間とは無縁だったなあ、なんて。
実家で久々に目にした家系図。
祖父母の代で更新が止まっているその上に
いつか僕も父と母の名前を書いてあげようと思う。
でも、その間に僕の名前を書くのはよそう。
書いてしまうと、
なんだか栗助の居場所がどこにもないし。
そもそも僕らは別の「家」をつくったわけだし。
そんなことを想った夜。
by usatoru
| 2008-10-30 23:42
| 僕らのこと
|
Comments(20)
こういう問題は突き詰めて考えるとため息が出るので止めといた方がよくないですか?!
家系図に文太さんの名前を書かないのには反対だなぁ・・・親の立場として言うならば、わが子が存在しなかった事になるのは悲しい・・・気がする。
文太さんの隣に栗助さんの名前を書く方が賛成です・・・が・・・無理なの?
家系図に文太さんの名前を書かないのには反対だなぁ・・・親の立場として言うならば、わが子が存在しなかった事になるのは悲しい・・・気がする。
文太さんの隣に栗助さんの名前を書く方が賛成です・・・が・・・無理なの?
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chenoia
at 2008-10-31 11:06
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初めて書き込みます。文太さんのご両親の年齢に近い、年金まであと何年って指折数えている暇なおばさんです。
あちこちクリックしていて辿り着いたこのブログ、中身が濃くて面白くて遡って読んでいますが、読破まではもう少し。やめられません。ラブストーリー、社会学的、哲学的考察、紀行文、お笑いetc.と盛りだくさん。 うまい文章に読まされてしまいますね。
人間あっての家系図ですから途切れる事はたいした問題ではないと思います。私はそういう物は始めから見ないようにしています。
文太さんのような心根の優しい息子が欲しい。勿論、栗さんつきで。そしたら二人ともうちの家系図に載せてしまいます。←No!!!って言われるのは分かってますけど、、、、、
あちこちクリックしていて辿り着いたこのブログ、中身が濃くて面白くて遡って読んでいますが、読破まではもう少し。やめられません。ラブストーリー、社会学的、哲学的考察、紀行文、お笑いetc.と盛りだくさん。 うまい文章に読まされてしまいますね。
人間あっての家系図ですから途切れる事はたいした問題ではないと思います。私はそういう物は始めから見ないようにしています。
文太さんのような心根の優しい息子が欲しい。勿論、栗さんつきで。そしたら二人ともうちの家系図に載せてしまいます。←No!!!って言われるのは分かってますけど、、、、、
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sarasa618 at 2008-10-31 12:30
年々核家族化が進んで...一人っ子で女の子だったり子ども出来ないってコトもあるし
離婚だってあるし...結婚しないまま一生を終るってこともあると
家系図は途絶えてしまいますよ^^;
子孫繁栄を願っての家系図...最初に書いた方は空白部分がどのように広がるか
想像できてたのでしょうか...ふと思ってしまいます...。
我が家も途絶える可能性大なので時々思ってしまいます^^;
しかし...文太さんも栗助さんと生涯を共に歩くって決めてるのだから
いっぱい幸せな時間を過ごすことの方が家系図よりも大切なのでは...?
離婚だってあるし...結婚しないまま一生を終るってこともあると
家系図は途絶えてしまいますよ^^;
子孫繁栄を願っての家系図...最初に書いた方は空白部分がどのように広がるか
想像できてたのでしょうか...ふと思ってしまいます...。
我が家も途絶える可能性大なので時々思ってしまいます^^;
しかし...文太さんも栗助さんと生涯を共に歩くって決めてるのだから
いっぱい幸せな時間を過ごすことの方が家系図よりも大切なのでは...?
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ちぃ
at 2008-10-31 22:24
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札幌からこんばんは☆
お二人の関係は家系図にはならなくても、素敵ですね。「家」をつくれるような恋愛って、私したことあるのかしら、と考えてしましました。
こういうこと考えると結論が出ないのですが、でも考えること悩むことはいいことなんですよね、きっと。
お二人の関係は家系図にはならなくても、素敵ですね。「家」をつくれるような恋愛って、私したことあるのかしら、と考えてしましました。
こういうこと考えると結論が出ないのですが、でも考えること悩むことはいいことなんですよね、きっと。
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kyotachan at 2008-11-01 07:04
夫のおおいとこ?と呼ばれるおじさんが家計図を描いてくれたことがあるんですが一人につき二度三度と結婚してそのたびに子どもも作っているからなんだかもうめっちゃくちゃ複雑で・・・おじさんはそのひとりひとりをご存知だからそれはごくフツーの「理解可能な家系図」な感じで描いてくれるんですけど・・・横で見ていたわたしにはとても「理解不可能な家系図」にしか映らず・・・・そんなもんですから家系図なんて
つまり人が幸せかどうかにはまーったく関係のないこと家系図のために生まれてきたわけじゃないんです幸せになるために生まれてきたんです
つまり人が幸せかどうかにはまーったく関係のないこと家系図のために生まれてきたわけじゃないんです幸せになるために生まれてきたんです
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at 2008-11-01 07:48
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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Rino
at 2008-11-01 12:42
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きっと文太さんは家系図や家系のことを考えているんじゃなくて、本当であれば家系図に乗せてもいい栗助さんとの関係がそこに載らないこととか、男女の夫婦ならほっておいても一緒のお墓に入れるのにお2人は入れないこととかそういうことを寂しいって思ってるんですよね。
私も諸事情あってその気持ちすごくよくわかります。
私も諸事情あってその気持ちすごくよくわかります。
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at 2008-11-03 22:22
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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teru
at 2008-11-06 00:03
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もし文太さんと栗助さんが亡くなったら、
ここにいるみんなが勢大な喪式をするし、
大きな墓をたてるから大丈夫ですよ。
それもきっと何十年も先の事ですし、
その頃にはLGBTも今より受け入れられて
でかでかと文太さんの名前が家系図に
書かれてると思いますよw
ここにいるみんなが勢大な喪式をするし、
大きな墓をたてるから大丈夫ですよ。
それもきっと何十年も先の事ですし、
その頃にはLGBTも今より受け入れられて
でかでかと文太さんの名前が家系図に
書かれてると思いますよw
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usatoru at 2008-11-16 02:45
ミモザさん。大丈夫、そんな突き詰めて考えてないですよ。普通の夫婦だったらなんでもないことなのになーって思っただけのことなんです。
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usatoru at 2008-11-16 02:46
chenoiaさん。もう読破はされたでしょうか(笑)。いや、僕も家系が途切れるとか跡取りとかぜんぜん興味はなくてですね(^^; 問題は、家系図は男と女の結婚制度の歴史であること・・・に何か感じたっていうのかなあ。。。
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usatoru at 2008-11-16 02:48
sarasa618さん。家系図は僕にとって大切でもないんですけど、大切な僕らの関係がどうしてここにかかれないのか、そしてこれまでゲイの人たちは歴史に残ってこなかったことを考えると、何だか寂しさを感じた次第なんです。
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usatoru at 2008-11-16 02:49
ちぃさん。家系図を通して、寂しくひっそり暮らす僕らの姿を婉曲的に見たような気がしたんですよね、、、
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usatoru at 2008-11-16 02:50
yumikoさん。大丈夫、悩んでいませんから(^^ ゲイのヒガミっていうのもある種のテーマですよ、このエントリーは(笑)
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usatoru at 2008-11-16 02:51
kyotachanさん。歴史に名の残るゲイカップルって、「そうだったらしい」っていうだけで、あんまりないんですよねえ。ま、僕らは名を残さなくていいけど(^^;
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usatoru at 2008-11-16 02:52
鍵コメYさん。うん、家系図に名を残すこと自体は僕は両親の息子として載せられますけどね。なんで、未婚になっちゃうんかねー的な疑問があるわけで。別に載せたいわけじゃないけど、なまじあるから、家系図が(汗)
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usatoru at 2008-11-16 02:53
Rinoさん。そうなんですー!まさに僕が言いたかったのはそういうあたりの、複雑~なゲイの心なんですよ。有難うございます~
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usatoru at 2008-11-16 02:54
teruさん。いえ、あの、、、墓はちっこくてもぜんぜんオッケーです~。漬物石でいいですから(汗)。有難うございます!
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usatoru at 2008-11-16 02:56
いんとんさん。理解ある友人の存在があって、その友達も幸せですね。いろいろなダイバーシティの中で、お互い本当に頑張りましょうね!