2011年 03月 18日
日本上空より |
17日朝、思案の結果自家用車で成田に向かいました。成田エキスプレスなどの運行情報は若干曖昧、リムジンバスも微妙、やはり信じられるのは自分だけというわけではないにせよ、ガソリンも残り僅かなので車を利用することに躊躇いもありましたが。途中細い道で、その先にあるガソリンスタンドにガソリンの在庫があるのかその給油所渋滞にはまり、高速にはのったものの首都高の一部区間が通行止めなので強制的に途中のランプで下ろされて、下の道で渋滞にはまったり・・そして再び東関東道に乗って、これはもう一種の犯罪かもしれませんが、空いている高速をドイツのアウトバーン並みの速度で飛ばしました。チェックインが閉まる45分前に、それこそカウンターに着いてぎりぎり間に合い。車は空港のエントランス近くにとめて、まずはカウンターに走りチェックインし、その後車を駐車場に入れるという荒業。
震災後初めて高速に乗りましたが、やはり緊急車両なども目立ちます。都内なのに他県の横浜市水道局とか、阪神高速ナントカとか、行政やインフラを担う車も多く見かけました。成田は、時間帯にもよるのだと思いますが、かなり空いていて入国審査などは窓口は2つしか開けていないものの並ばずに出国。日本脱出組の外国人の第一波は終わったのかもしれません。ドイツやフランスなどは率先して日本脱出を促しているし、オーストリアのように東京の大使館業務を大阪領事館に移管してしまっているところもあります。また、ルフトハンザなどは東京とフランクフルト、ミュンヘンを結ぶ便を運休にしてしまっています。成田では、特に原発事故の影響等々で、チケットを持たずに空港にやってくる外国人などがかなり大挙してやってきていて、なかなかどこの行き先へのチケットも取れずに往生している、といったような話も聞いていたので少々肩透かし。とはいえ、ビジネスユースよりも、こうした外国人の帰国や避難などでエコノミークラスのチケットは、キャリア側の減便や運休という背景もあってなかなか入手が難しいようです。
今回はJAL利用、こういう国難だからこその日本の翼といったところでしょうか、ちゃんと飛ばしてくれています。パイロットの被災地へのお見舞いと「頑張ろう」のアナウンスや、CAの人達に普段と変わらぬ笑顔に、なんとも励まされます。成田を飛び立つと、すぐ窓の外には九十九里の太平洋を望み、しばらしくして茨城の霞ヶ浦をかすめて飛びます。一見何事もなく見えるその風景のすぐ向こうに、まさに地獄絵のような光景があり、そして水と食料を暖を求める何十万人という人達がいて、そして未だ誰にも発見されていない遺体が雪の降る寒さの瓦礫の下にあると思うと、その海岸の先の北の地に想いを寄せざるを得ませんでした。そして同時に、おそらくこの上空に飛散する放射能物質濃度の高さも、考えても自分では仕方がないと思いつつもやはり若干の不気味さを持って頭をよぎります。3月も中盤、本来であれば春めいた明るいこの日差しも心なしか弱弱しく見え、真っ青な空もまた普段と違って見えるのが不思議です。
昨日は名古屋と東京の「温度差」を感じながらも、こうして家を出て空港に行くまでの間にも、普段どおり仕事をする人々がいます。皆同様に、あの気が滅入るような様々な情報を知りながらも、真面目に働く姿からはやはり勇気をもらいます。今は、本来元気に生活できる人ほど、元気に生活する必要があるときだと思います。皆が下を向き、疲れてしまってはいけない。原子炉の中でそれこそ命懸けで作業をする人がいる。寒く暗い被災地で黙々と行方不明者の捜索に当たる人々がいる。明日を憂い、期落ちするのは僕たちではなく、それこそ家族や家を失い途方にくれつつ空腹と寒さに震える被災地の人々だけでいい。元気な僕らは気持ちを奮い立たせて、いつも通りに生活をするということも、これもまた将来に繋がる勇気であるとも思うのです。
by usatoru
| 2011-03-18 07:02
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Comments(2)
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Nobu
at 2011-03-18 12:53
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元気に仕事してまーす。文太さん、今回はどちらへ?
日本を少しでも早く元気にするためには、まずは元気でいられる人は元気に仕事をし、できる限り普通の生活を送ることが大切なのかな?と思います。不安が伝染するのであれば、きっと元気も伝染するはずですからね。
日本を少しでも早く元気にするためには、まずは元気でいられる人は元気に仕事をし、できる限り普通の生活を送ることが大切なのかな?と思います。不安が伝染するのであれば、きっと元気も伝染するはずですからね。
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lacasamia3 at 2011-03-18 17:41
いま、ボローニャの見本市コスモプロフに行く列車の中から書き込みをしています。こちらにも、こんな状況の中、心を強く持ち出張に来ている日本人ビジネスマンを沢山見かけています。私も彼らの通訳としてボローニャへ。観光で来る方もヒステリックなキャンセルはなく、来れる人は来るという感じ。動ける人は、がんばって経済を立て直す、立ち止まらないというのが本当に大切だと思います。