2014年 09月 17日
スコットランド独立の行方 |
アイデンティティとか民族意識、歴史的背景、、、当事者にしかわからない埋め込まれたDNAがあるのかもしれません。でも、深い知識もなく客観的に考えると今スコットランドはある意味で冷静な判断をしているのだろうか、という気が僕はします。今の人間が本当に過去の遺恨を現代にまで引きずっていたのだろうか?経済低迷はスコットランドが国家という主体性がないゆえの結果で、他に原因はないのだろうか。国になれば、どこも豊かに繁栄するという単純なものでもないし、英国としてだからこそ繁栄してきた事実もスコットランドにもないとは言えないと思うのです。
500万程度の人口というと日本で言えば北海道くらいですね。日本第2の都市である横浜が370万人、大阪が270万人くらい。おそらく、スコットランド独立派がイメージしているのは隣国である北欧ノルウェーではないかと僕は勝手に思ってます。ノルウェーは人口規模もスコットランドと同じ。そして、もともと農業漁業国で西欧でも貧しい国の1つだったノルウェーは油田の発見により巨万の国家収入を得るようになり一躍富裕国に躍り出ます。記憶だと中東諸国を入れても乗ノルウェーの原油輸出量は世界6位とか7位とか、そんなレベルだった気がします。言わばオイルマネーで潤う「欧州の中東」みたいな国というか(笑)。
ノルウェーそのものも国家としては、歴史的にデンマークや隣国の強国であるスウェーデンの支配を長く受けてきた歴史があり、今のスコットランドの独立運動の流れは、20世紀初頭にスウェーデンから独立したノルウェーの姿と状況的にも重なります。
スコットランドも独立すれば、ノルウェー同様にこれまで英国経済に貢献してきた北海油田を手にすることで、理屈ではノルウェーのような潤沢な収入財源を持つことになります。これまで英国としてこの収入は6500万人の国民で分けてきたものを、500万人だけで使えるようになる!となると、一見なんだかとても嬉しい事実であるのも確かでしょう。ロンドンに吸い上げられていた富を、スコットランドのみに注入できるようになるわけです。そういう意味では経済的にはある種の成功を見るかもしれないけれど、金融とか軍事、外交など、やはりこれまで英国というブランドや国際的な地位の下で得ていた見えない利益も多かったはずで、そこを自国でどう確立していくのか、そこが一番の試金石かと。
ノルウェーの首都オスロも行ったことがあります。僕の偏見もあるかもしれませんが豊かゆえによくも悪くも国民がのんびりしていて、若者の気迫がなく仕事に対する前向きな姿勢がないんですよね。これは、最高学府のオスロ大学で学生たちと話していたときの印象。極論を言えばあくせく働かなくても国の補償でなんとか生活を維持できる状況が、どこか人間を堕落させているような。・・エジンバラに僕が行ったのは夏の一番よい時期だったけれど、どこか憂いのある独特の空気を持つあの街が、もしかしたらオスロ化してしまうとしたら個人的にそれはどうなの?という気もします。
・・・まあ、僕は専門家ではないので聞きかじりの知識と自分がスコットランドやノルウェーの現地での見聞を基に表層的な勝手な想いを書いているだけのことなので、見識や事実の違いも実際あるかもしれないのでそこは大目に見てやってください。さて、どうなるか、、、ですね。
少なくとも遠い昔の歴史から、ハワイが米国から独立したり、沖縄独立とか、あるいはカタルーニャのように裕福な地域が独立を主張するように、東京が日本から独立したがったりとか、そういう混沌とした時代錯誤の民族自決や財源配分からの不満から生まれるカオスは世界はできればきてほしくないですね、、、
画像はエジンバラに行った際に撮ったエジンバラ城。このブログで検索できたのだけど2007年だったのね。懐かしい。
by usatoru
| 2014-09-17 12:44
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