2018年 03月 03日
キャッシュレス待望? |
今、中国ではキャッシュレス化が進んでいて現金を使用すること少ない、なんて報道がされてますよね。まあ、現地に行ってみるとそれは確かに現実。一方で、僕はそうしたことに対する日本の対応の見識に少々「?」と思うところがあります。
「そもそも、僕ら日本人ってそんなにキャッシュレス社会を望み、出来ることなら現金利用を避けたい、と思ってたんだっけ?」という根本的な話です。中国でキャッシュレス化が進んだわけだけど、そもそも中国って個人信用に基づくクレジットカードっていうものが持てないんですね。銀嶺カードと言われる中国人が持っているカードは、あれはクレジットカードではなく、使うと瞬時に銀行口座から代金が引かれる「デビッドカード」です。今の中国で普及しているQRコード読み取りで口座から現金が引かれる仕組みは、いわゆるデビッドカードをわざわざ財布から出さなくてもスマホでOK,という風に考えればわかりやすい。まあ、それは便利かも。
一方で、もともと日本ではクレジットカードでさえも欧米に比べると、普及こそしていても利用率はかなり低くて、それがクレジットカード会社の悩みの種だったりするし、アメリカでは公共料金の支払いとか普通に使われる小切手だって日本では普及してこなかった。コーヒー一杯をクレジットカードで払う、って日本人だと「大袈裟な・・・」的な感覚がどうしてもありますよね。
余談でいうと、クレジットカードというのはお客が支払いをカードでした場合に、店舗側がその売上のいくらかのマージンをクレジットカード会社に払うんだけど、それが日本国内では極めて高く設定されているらしい。確か欧米では1,5-2%くらいなのが、日本だと5%以上とか。まあ、こういう側面からでも店側もなるべくカード使ってほしくないと思ってしまうのは仕方のないこと。 僕の個人的に親しい飲食店とか、行きつけの宿の方とかは、現金の方がとても喜んでくれる。もともと暴利を見込んだ価格設定ではないので、売上のうち5%のマージンって結構大きいわけです。
で、キャッシュレス!と叫ぶ場合は、今の段階でも、日本も特に都会では様々な形で現金を使わずに決済しようとすればできなくはない。スイカとか、ワオンとか、エディとか、お財布携帯とかなんらかの電子マネーを皆少なからず持っていて、でも必ずしもそれを使わずに現金を使っているのは外ならぬ僕ら自身。現金を持ち歩いても、スリにあったり盗難されることが珍しい治安のよさ、偽札なんて見たこともない人がほとんどの日本、国際的には基軸通貨の1つである信用ある通貨。現金を持つ「不便さ」というほどの不満や不安が少ない社会。
まあ、とはいえキャッシュレス化による新分野の産業が勃興推進したり、また時代の流れとしてはやはりそうした方向に流れていくものとは思うものの、単純に中国と比較してどうのこうのという議論はあまりにも不毛だよなあ、と思うわけで。
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by usatoru
| 2018-03-03 12:38
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