2020年 12月 15日
GoToの議論(今日はちと真面目に、、) |
「どうして観光業だけを、、」という妬みやひがみっぽくGoToの施策を言う人がいるけれど、産業にも生態系のように一種のヒエラルキーがあって、例えば観光業の筆頭の宿泊施設の稼働が上がることで、運輸、食料、燃料、関連するサービス業などのすそ野のが大きく動き出す。同じことが製造業で言えば自動車産業が言えて、メーカーを筆頭にそのすそ野が広い。では、日本の自動車メーカー10社くらいに政府が支援すると国民は納得するかといえば、きっと多くの人がまた不満を言うはずだ。まあ、大企業をさらに支援する図式はなかなか賛同や理解を得られないのもわからなくもない。そして自動車メーカーに連なるネットワークの裾野の多くは上場企業やや中堅企業が少なくない。
でも、観光業の場合は、そのすそ野に広がる業界が広いことに加えて、自営業(家族経営)や中小零細企業などが多いことも特徴だ。観光地のホテルなんて大きなチェーンでもない限り、多くは日々から厳しい経営をしてる。でも、彼らにテコ入れをすることで、それにぶらさがる様々な産業が動き出す。優れた民主主義が困難の時ほど弱者に目を向けるとすれば、このGoToの施策の目的はこした宿泊施設や周辺の小さな土産物屋だけの救済にとどまらない。
政府の支援も、その財源は無限ではない。となれば、全ての産業や国民を支援することは不可能で、限られた財源を効果的に使うことで少しでも多くの人に最悪よりもベターとなる恩恵を受けるように志向する必要性がある。きっと、今回のGoToの中止でホテルや旅館のキャンセルが相次ぎ、また野菜やら肉やら魚介なんかの飲食の消費がまた減って、農家や漁師さんが困窮するんだろうなあ、、、さらに年末年始のかきいれ時に仕事がなく、あるいは売価が暴落し、リネン類の業者さんも仕事激減するんだろうなあ、、地方の小さなタクシー会社はまた潰れるだろうね。ホテルだって経営面でだけではなくて、住み込みの仲居さんたちは年越しできるんだろうか。例えばの話で。これ以外にも関連する業種はもっと何十何百にもなるはず。
別に僕が政府を支持しているとか、GoTo擁護とか、そういう単純な話じゃないんです。批判するなら、どうしたらいんですか?って話です。GoTo止めたら感染は収まるんですか?っていっても、そもそもGoToなんてやってない国はたくさんあって、それらの国々の方がよほど日本よりひどい状況になってる。となると、GoToだ主な感染原因ではない。GoToだけが感染を広めているわけではないし、それに別に政府に命令されようが、別に行きたくない人や、GoToを使いたいないとか、外出は控えたいというのは個人の自由と決断であって、そう考える人は率先して外出を控えればいいのです(嫌味ではなく)。そしてGoToを使う人は、最新の注意を持ってお金を使うべきなのです。全員が家に籠ったら、失職者がきっと増えて失業率は上がり、負のスパイラルに堕ちるのみ。犠牲はね、ある意味覚悟をしないと成り立たない。そういう人たちが増えるということは、直接的に関係のない別の業界にいる僕らの仕事や生活にも火の粉となってふりかかる。
感染防止をとるか、経済をとるかの二者択一ではない。両方やらなければダメなんです。その時に、帝王学ともいえる「最善ではなく次悪を選ぶ」という選択も必要。最善(コロナの心配なく経済活動をマックス)は今あり得ない。最悪なのは、コロナに怯え対策をしすぎて経済がストップして、国が破綻し国民が将来にわたって困窮すること。その最悪を避けるために輪郭の見える施策を今のうちから手を打たなければならない、となると、GoTOはある意味その側面はある。だからこそGoToにかかる莫大な予算は医療に廻すべきという意見も、一見もっともらしいけどナンセンス。医療(守り)と今後の未来(攻め)は別な話で、どちらも一緒にやらなければならない難しい選択だから。医療で封じ込めだけやっていたら1年以内に収束せず2年、3年たっても収束しないかもよ?感染防止だけでは、僕らは食べていけなくなる。既に東京だけでもコロナ離職(解雇)がすごい数に及んでいる。GoToの形が必ずしも素晴らしいものではないしても、医療崩壊等の現実も踏まえながら、どうしたら経済を回しながら、かつどこまでの犠牲や忍耐を僕らが覚悟できるとかということを踏まえて、施策を考えフレキシブルに対応することは大切なんだろうと思います。
非難や評論ばかりで対策なく政府にばかり責任を押し付けることはそろそろやめないと。ドイツのメルケル首相の先日の演説に対して「菅首相もメルケルさんを見習え」とか言ってるけど、内容は「感染を止めるのは、あんた達国民の責任なんだよ!」って彼女は言ってる内容で、賛同してる人はそれ理解して言ってるのかな。今、日本でそういうことを首相が言ったら、なんでも政府の責任を追及する風潮のある日本だから、国民の怒り広がるんじゃない?(笑笑)僕ら自身の責任は何なのか、ということも考えないと。「あなたの国があなたのため に何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」ケネディの言葉、今こそ重い。国のため、っていうと、なんだか右傾的に聞こえてしまう世相だけど、国という言葉を社会という言葉に変えると少しは親近感の湧く言葉かもしれません。
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by usatoru
| 2020-12-15 19:00
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Comments(4)
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あや
at 2020-12-17 14:27
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緊急事態宣言がまもなくあける、という時に新宿伊勢丹の近くを通ったんです。清掃会社、アパレルなどの搬入のトラック、出入りする伊勢丹の人ではないどこかの会社の人をたくさん見ました。ああ、伊勢丹が再オープンってことはこれだけの人達の仕事が動くということなんだな、と感じたのを思い出しました。goto関連事業って規模は違うけど、そういう事ですよね。
自分としては感染対策して日々を穏やかに(なるべく笑)すごしたいなと思います。
自分としては感染対策して日々を穏やかに(なるべく笑)すごしたいなと思います。
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めるめる
at 2020-12-17 21:21
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私は消費税下げてよーと思いますけどね。そうすると、GoToの予算だけでは足りなくなりますけど。でも、コロナで収入が減って明日食べるものに困ってるシングルマザーさんとか、家族に感染させるのが怖くて家に帰ってない医療従事者とか、時短要請で影響あるのに補償対象外のおしぼり屋さんとか(さっきニュースで見たんです)みーんなに恩恵があるわけで。今の時期にGoToを使えるような人には、高額商品を買ってもらいましょう。2年限定!とかにすると、増税前と同じ様に消費が増えるんじゃないんでしょうか。
人が動けばウイルスも動きます。だからロックダウンをしたら感染者が減るし、解除したらまた増える。GoToはその逆でしょう?なんで今するのかわからない。コロナ
が落ち着いてきたら、何もしなくてもみんな旅行に行きますよ、ずっと我慢してるのに。
私の夫の母国オーストラリアでは、こまめにピンポイントでのロックダウンを繰り返して、死者を何千人とだすことなく冬を乗り切ったみたいです。冬っていっても、ヨーロッパみたいに雪が降る様な国じゃないので地の利はあると思いますが。コロナで失職した人には4月あたりから10月ぐらいまでは週700ドル支給(感覚的に5万くらい)、収入が減った人にも週700ドルになるように政府が補填してたと聞きました。細かい数字は曖昧ですが。補償だけでは経済は回らないからこれが正解とは言いませんけど、国としての本気度が見えると思いませんか。もちろん全ては税金なので、これからの増税が怖いと言ってましたけど。
11月末に友人と話した時は、第二の都市メルボルンがあるビクトリア州では31日連続で新規感染者ゼロだと言ってました。これから夏なので、少し安心なのかな…知らない部分もあるのはわかってても、正直羨ましいです。
人が動けばウイルスも動きます。だからロックダウンをしたら感染者が減るし、解除したらまた増える。GoToはその逆でしょう?なんで今するのかわからない。コロナ
が落ち着いてきたら、何もしなくてもみんな旅行に行きますよ、ずっと我慢してるのに。
私の夫の母国オーストラリアでは、こまめにピンポイントでのロックダウンを繰り返して、死者を何千人とだすことなく冬を乗り切ったみたいです。冬っていっても、ヨーロッパみたいに雪が降る様な国じゃないので地の利はあると思いますが。コロナで失職した人には4月あたりから10月ぐらいまでは週700ドル支給(感覚的に5万くらい)、収入が減った人にも週700ドルになるように政府が補填してたと聞きました。細かい数字は曖昧ですが。補償だけでは経済は回らないからこれが正解とは言いませんけど、国としての本気度が見えると思いませんか。もちろん全ては税金なので、これからの増税が怖いと言ってましたけど。
11月末に友人と話した時は、第二の都市メルボルンがあるビクトリア州では31日連続で新規感染者ゼロだと言ってました。これから夏なので、少し安心なのかな…知らない部分もあるのはわかってても、正直羨ましいです。
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usatoru at 2020-12-22 01:10
あやさん。そうなんですよね。日々なるべく穏やかに過ごせるようにするべく、最善でなくても(不可能だけ
ど)覚悟を持って両輪を回すということが必要なんだと思うのです。
ど)覚悟を持って両輪を回すということが必要なんだと思うのです。
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usatoru at 2020-12-22 01:15
めるめるさん。国全体のかじ取りはミクロではなくマクロで考えるべきと考えています。豪州は東京と神奈川くらいの人口くらいしかないので数字の単純比較は難しいですけど、今は世界のどの国も決して成功しているようには見えないし羨ましいとは思わないんですよね。まあ、台湾は高く評価されていますよね!